知恩院の鬼瓦修復 [鬼瓦]

今回縁あって京都「知恩院」の集会堂にのっている鬼瓦の修復の仕事を手伝うことになりました。

知恩院集会堂の大修理のページです
http://www.chion-in.or.jp/onki/syuedo/index.html

約370年前の鬼瓦ということで、とても神経を使います。
主に私の担当するのは、隅鬼と二の鬼で計8個です。

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このころの鬼瓦は今の鬼瓦と違い、大変重くできています、大人一人では持ち上げることは至難の業です。

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たぶん鬼の顔から創造すると、2人の鬼師が作ったのではないか?と言われてるそうです。

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欠けた部分は、硬めの真空土を使い、なるべく収縮しないようにやります。
通常ですと1割1分ほどの収縮ですが、今回は5分程度の収縮で抑えたいです。
写真の修復例と違い、実際は数ミリだけ全体を大きく作ります。

鬼の大きさは、尺八寸(55センチ)
二の鬼は足の先まで入れると2尺2寸(67センチ)
重量は50キロくらいはありそうです。

なんにしろ文化財なので、補修した所がわからないように色を合わせて焼くことが大変難しいところです、その辺は、焼成温度や色々な技術を駆使してやっていきたいと思います。



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コメント 6

タッチ

流石に知恩院の鬼ですね。
大きさが隅鬼、二の鬼でもすごいですね。

それにしても歴史に残り、修復を担当できて職人としてのやりがいですね。
by タッチ (2009-11-21 21:29) 

よっしぃー

タッチさん

実際屋根に乗っている時は本当に小さく見えるのですが
下に降ろしてまじかに見てみるととても大きいです。

本当に職人としてはやりがいのある仕事です!
本音を言っちゃいますと、破損部の修復ではなく、一から作り直す復元がやりたいです。
聞いた話によると文化財の屋根瓦はもともと乗っていた瓦を4割使わないといけないそうです。

by よっしぃー (2009-11-23 13:31) 

すぎやす

先日服部先輩に皇居の葺き替えの写真を少し見せてもらいましたが
鬼屋さんはこういった歴史的な物件に携われるのは醍醐味ですね

でも復元より修復のが難しそう
by すぎやす (2009-11-24 08:49) 

よっしぃー

すぎやすさん

確かに歴史的な価値のあるものを触ることができるのは醍醐味だと痛感します。
屋根に乗っていると、鬼瓦の上から見たとことか、裏側なんかわかりませんもんね!
昔の人がどのように作っていたかは、この様な機会がないと分かりませんから、とっても勉強になります。。
また、今と殆ど変わらない所もあれば、今と比べるとかなり雑に仕上げているところなど、当時の職人の人柄がしのばれるところが見受けられます。


by よっしぃー (2009-11-24 15:31) 

たいせい

 鬼瓦がよく解らないのですが、産地内に修復目的に帰ってくるこうした鬼瓦の写真を残しておいて、時代や建物の種別などによって体系化できると面白いのではないかと思っています。
 瓦の持つ「歴史」や「伝統」「ものがたり」を、広く伝えるための道具立てにも成るのでは...。
by たいせい (2009-11-28 09:55) 

よっしぃー

たいせいさま

こんにちは、確かに体系化すると色々な事がさらに判って来るかも知れないですし、後から見ても整理されていると探しやすいですね。

こういったことをやっていると、その背景の歴史的な背景も知りたくなりますし、鬼瓦の変遷とのつながりなんかもわかってくることと思います。
実際そういった著書も家にはあるので、それも紐解いてみたいと思います。

NICEとコメントありがとうございます。


by よっしぃー (2009-11-30 17:58) 

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